ある日 何気なく毎日使っていた湯呑を
手を滑らせて割ってしまいました。
旅先でふらっと立ち寄ったお土産店で
気まぐれに手に取った湯呑でした。
でも、次の日から他のどの湯呑を使ってみても
どこかしっくりこない。
その時初めて
割れてしまった湯呑みは
知らず知らずのうちにいつも手元にあり
どんなに手に馴染んでいたか
どんなに気に入っていたかに気づきました。
あの湯呑みがいい と思いました。
あの湯呑みを買うために
もう一度 旅に出かけました。
探し歩いてようやく見つけた時の
なんとも言えない喜びは
今も忘れられません。
それでも手にした時
同じものだけど少し違う
懐かしいのにどこか新しい
ひとつひとつが出会いなんだと
感じた瞬間でした。
それからうつわに興味を持ち
いつしか物づくりに魅せられて
作り手になりたいと思うようになりました。